Midori Nishiura
PROFILE
プロフィール
にしうらみどり

パリ政治学院 客員講師Sciences Po

L'Institut d'Etudes Politiques de Paris(仏国パリ政治学院)講演 (1997∼2008)

'97年より毎年一回、L'Institut d'Etudes Politiques de Paris(パリ政治学院)にて日本の現状(特に政治、経済、教育問題、防衛、時間が許せば文化)について講演している。講演後、活発な質疑応答が行なわれる。

"Sciences Po"(シアンス・ポー政治学)のクラスは、フランスのエリート教育機関ENA(エナEcole Nationale d'Administrationの訳)の準備校(パリ政治学院)で、そこには、優秀な生徒が集まっている。
卒業生は、歴代の大統領、首相、フランス財界、官界のトップたちで、極めて困難な関門を通過し、在学中の3年間大変過酷で高度な教育を受けることで有名である。例えば、入学する資格の一つとして最低5カ国以上話せなければならない。その他、様々な分野でアカデミズムが問われるのは言うまでもなく、様々な立場でフランス、または世界を代表する人材を徹底した教育により育成している。

ここで勘違いしてはなけないのは、昔存在したフランス特有の権威主義は現在は陰をひそめ、今では、単にエリートと言ってもこの複雑化された国際社会の中で国益を考えながら世界で共存していくことの出来る人材を排出している。
生徒たちは世界各国からも難関を突破して入学しており、いずれは、それぞれの国に帰って政財官界でリーダー的ポストに就いて活躍していく人材である。フランスでも世界でも、将来重要なポストに就く人々に、日本の考えや在り方、理念、社会構造等を上記のテーマにもとづいて説明をし、また充分な意見交換をして、知ってもらう必要がある。帰国後、講義内容をリクエストに応じて、各方面の方々に報告していると同時に、ディズカッションも行なっている。世界で次世代を担っていく若者たちの考えも、日本人に幅広く知ってもらいたいし、そうする重要性についても、認識を深めてもらいたいと思っている。

日本の現状は以外と知られていないようで「謎の国」というイメージが強いようだ。日頃から応援していて、 PRにつとめている相撲や歌舞伎に興味をもっていただくのは、とてもありがたいのだが、反面、憲法や戦争責任、ヤスクニ問題等には、誤解も多い。露骨な政府広報をするつもりはないが、日本の国益のためにも適切な講演をしたいと思っている。

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