Midori Nishiura
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大英帝国女王陛下エリザベス 二世 Tributeトリビュート(賛辞)

2022年9月12日

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9月8日2022年 エリザベス女王が崩御されました。
悲しいニュースが伝わると世界中が亡き女王陛下の突然の旅立ちにショックを受け、その偉大な功績をそれぞれのかたちで胸に抱き称えました。
2日前には新旧首相交代でジョンソン、トラス両氏が謁見。いつもと変らぬ輝く笑顔で英国民を安堵させたばかりでした。
御御足がご不自由になられた後も、最後まで気丈につとめ(Duty)を果たされた女王陛下。英国民はもとより全世界の多くの人々より敬愛されていました。
スコットランドにあるバルモラル城で最期を迎えられたことが何を意味するかは、英国を始め世界中の少なからずの評論家や歴史家がお口にしているので新し話ではありませんが、近年、スコットランド独立を声高に訴える人々が増加、そんな風潮にお気持ちを表名されることなく、まさに体現するかたちで、「我が愛するスコットランド・・・私はスコットランドの人々が愛おしく、スコットランドの女王でもあるのです」と、静かにラストメッセージを贈られたのだと感じました。リパブリカン思想の人々にもほんの一瞬でも熟慮する機会をもたらしたのではないでしょうか。

1952年、25歳の若さで即位。本年6月には在位70年を世界が注目する中、歴史に残る慶事プラチナジュビリーを英国民と共に盛大にお祝いされたばかりでした。
今でも、パディントンベアとのティータイムでのやりとり、ハンドバッグの中からマーマレードサンドイッチを取り出されて茶目っ気たっぷりに「後でね」(後でいただくためにとってあるのよ、の意味)と名演技を披露され、多くの人々を魅了なさったことは記憶に新しいです。

一切、お胸の内、お考えを表されない姿勢を保たれてきたことも、世界規模で大きな支持、人気を集めて敬愛されてきた理由のひとつではないでしょうか。すなわち、何ごとも、何びとたりとも批判をしないということになりますから、その上、変らぬあたたかな笑顔を拝見すれば、多くの人々が国境を超えて励まされ、希望を失わずにくることができたに違いないと思うのです。
深い愛情とお国に対する共通の使命で固く結ばれていた王配フィリップ殿下との再会を喜んでいらっしゃることでしょう。感謝多謝!

新国王チャールズ三世、カミラ王妃、ウイリアム皇太子、キャサリン皇太子妃、英国王室の方々、英国民の皆さまに深い悲しみの気持ちを御伝えすると同時に心よりの哀悼の意を表します。

ご逝去の明くる日、ロングボトム英国大使からお声がかかり、Official Book of Condolenceに記帳のため招ばれました。週末をはさみ、9月12日月曜日午前10時に大使公邸に伺い、過去を振り返りながら感謝の気持ちも記しました。
ロングボトム大使は、数日後、後を絶たない、大使館ゲートに訪れてくださる方々のお悔やみの心にも感銘を受け、謝意を伝える記者会見を開きました。流暢な日本語でその気持ちを真摯に語った姿は、たくさんの日本人の心を打ちました。

エリザベス女王に初めて拝謁させていただいたのは私が18歳の時。ウインザーパークで開催されたロイヤルガラ・ポロマッチの場でした。シーズンデビューしたばかりで、前夜はベッドフォード公爵邸での晩餐会に招かれ、シャペロン役のモファット夫人に付き添われて出席、今では想像つかないほどのきらびやかな世界に若さゆえのわくわくドキドキで高揚しながら思い切り楽しんだ想い出は時代の流れと共に遠のいていくばかりです。あの頃の写真がないのが残念です。

今では、コンサル会社業務、依頼される多岐にわたった仕事、国際関連プロジェクトの数々、そして大学を通じて後身指導に身を費やしてきましたから、当時のことはまるで自分のことではないような気がするこの頃です(笑)。
思いがけずあの頃に想いを馳せる機会となりました。女王陛下、そして皆さまにも感謝!

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今年の女王陛下96歳バースデーパーティー祝賀会での記念撮影。英国大使公邸6月

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このモノクロ写真は、女王陛下90歳のときにフレーム入りで賜わったものです。当時の招待者全員に配られました。
人々を包み込むあたたかい笑顔でいらっしゃいました。若々しいです。孔雀石でできた馬の置物は、昔、マクルホース卿(香港総督)からいただいたものです。馬が大好きだった女王陛下のために。

さて、元々、若い支持者の皆さまが運営してくださっていたHPですが、近年、日々の雑事に追われて材料提供をできず、数年間にわたり更新をしていませんでした。この度、多くのファンの皆さまからのご要望もあって特別掲載をいたしました。申すまでもなく、英国関連事に関してはいつもながら大使に掲載了承を得ての掲載です。関連する写真やエピソードは他にもありますが、追悼とトリビュートの気持ちは充分つたわったと思いますので、これ以上は控えます。

そういえば、1975年に来日された折りにエリザベス女王が英国大使館の敷地内に樫の木を植樹されたそうです。私は残念ながらイギリスの女子寄宿学校在学中。その後、その樫の木にまつわる出来事が2007年、私によって展開されるのです。
いつの日か、詳しく・・・。

ご関心のある方々のために、一本の映画を紹介します。『エリザベス 女王陛下の微笑み』は、9月16日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかにて追悼上映しています。

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