Midori Nishiura
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ジョン・バーコウ英国下院議長来日、英国大使館での講演会とレセプションに招かれ行ってきました。

2015年8月7日

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2009年から英国下院議長をつとめるバーコウ下院議長は、マグダカルタ800周年を記念して、英国大使公邸にて「英国の歴史と役割」と題した特別講演をされました。マグナカルタは、1215年に、イギリスの封建諸侯が国王であったキング・ジョンに迫り、王権の制限と諸侯の権利を確認させた文書です。 のちに国王の専制から国民の権利・自由を守るための典拠として取り上げられ、権利請願・権利章典とともにイギリス立憲制の支柱とされたばかりか、現代に続く「法の支配」、保守主義や自由主義の原型となっています。
余談ですが、私の母校は、1066年、戦いに敗れたハロルド王2世が祀られた寺院、バトルアビーですが、マグナカルタは、その149年後に創られたわけですから、ハロルド王に続き、ウイリアム王の時代は、すべては、王の意のままであったということになります。

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1997年より保守党議員に選出されたバーコウ下院議長のお話は、歯切れ良く、明快、ウイットに富み、まさに、お手本的なお話でした。事実上、”Speaker of the House of Commons”なのですから、当たり前と言えばそれまでですが、本当に、お見事でした!
マグナカルタの話に戻りますが、前文と、63ヶ条で構成されていて、原文は、ラテン語です。英語版は、読んだことがありますが、学校で叩き込まれた、”Sense of fairness”とは、こういうことが原点かと思いました。
なんと、17世紀になって、国王と議会が対立するようになり、マグナカルタの理念は、ふたたび注目されるようになったのです。そして、アメリカ合衆国建国の理由づけにも、マグナカルタが引用されています。
2009年には、ユネスコの『世界の記憶』に登録されたことも記憶に新しい大憲章です。

この、素晴らしい企画を満喫したゲストたちは、そのあとのカクテルパーティーでも、ジュリア・ロングボトム駐日英国公使(代理大使)の計らいで主賓と交流しました。学びと社交を一緒に・・・というアイデアは、大歓迎です!

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