Midori Nishiura
ALL SEASONS
春夏秋冬
frame

「ルノワール展」内覧会 国立新美術館に行ってきました。

2016年4月26日

kanchouder

今回のルノワール展は、貸し出されたオルセー美術館とオランジュリー美術館所蔵のルノワール作品がすべて当美術館に移動したといわれるほどの、圧倒されるコレクションです。これほどの迫力あふれる展覧会は、絶対に逃せません!また、大変な混雑が予想されますが、何度も足を運ぶ価値は充分すぎるくらいにあります。印象派とひとくちに言っても、ルノワールほど絵画のみならず、言葉でも表現ゆたかな芸術家は珍しかったかも知れません。詩人や画家、音楽家、美術批評家たちとの交流さかんで、あらゆる意味でコミュニケーション能力(発信力)に長けていたように思うのは私だけでしょうか。
そして、ルノワールと言えば、思い浮かべるのはプッチーニ作曲のオペラ「ラ・ボエーム」です。そのロマンティックな旋律、そして大いに泣かせる純愛悲劇ということから、今では、”デートオペラ”と言われているくらいです。そのメインテーマ、ボヘミアンたちの生活ぶりに深く傾倒していたルノワールは、当時、多くの生活場面を描きました。
青木保館長から、この重要な展覧会の奇跡的な実現を淡々と語られ、その情熱に惹かれました。

nikkeikitar
今まで、フランス国外に出たことのない作品を含んだ100点以上の大展覧会に主催者としての喜びと誇りを屈託なく伝えた、日本経済新聞社の喜多会長。招待客の多くが「よくぞやってくれました!」と、気持ちがひとつになるのを感じました。

fyrenchjpg
このサイトでは、何度も登場されているティエリー・ダナ駐日フランス大使は、郷に入れば郷に従え?の精神でしょうか、偉大な画家を生み出したお国の代表者であるにもかかわらず、控えめでエレガントなスピーチに、招待客も心を寄せた雰囲気に包まれました。

FullSizeRkijor
レセプション風景。シャンパーニュを傾けながら、それぞれの感想を語り合う優雅なひとときを過ごしました。
主催者ならびにスポンサー関係者の中には、御夫人同伴でいらしている方々も多くお見受けしました。奥様方が花を添えてくださり会場が一段と和やかな雰囲気になりました。たいへん喜ばしいことで、やっと日本もカップル文化が定着してきたと、嬉しくなりました。

FullSrafuRender
ルノワールと言えば裸婦、と、勝手に思っていて、特に私は裸婦画が好きです。主催者のお許しのもと、来場者促進のために一作紹介します。この作品、”陽光のなかの裸婦”は、光の効果が惜しみなく表れています。この新鮮さ・・・ルノワールの人生終盤で親交があった画家のマティスがルノワールの裸婦画を見て、「制作後20年を過ぎてもまだ乾いていなかった」と、称したそうです。確かに、瑞々しいといいますか、筆を置いたばかりのような何とも言えない光沢は、ルノワール独自の手法なのだと思いますが、これほどの賛辞を贈られるのも納得させられます。
照明もすばらしかったですし、美しい完全な図録も推薦します。

frame
shadow