デンマーク王国フレデリック皇太子殿下とメアリー妃殿下も～北極圏に関するセミナーを聞いてきました。

2015年3月29日

駐日デンマーク王国大使館主催の有意義なセミナーやイベントの数々が、両殿下ご来日に際し開催されました。
連日、食品、ファッション、音楽、出版、観光、とテーマは多岐に亘りました。

中でも、グリーンランドのポテンシャルにスポットを当てたセミナー「北極の新たな可能性と挑戦」が開催され、グリーンランドの戦略的な地理条件が北極圏の中心的な地域であることや、まつわる様々な可能性を、グリーンランド自治政府首相、副大臣を含む、日本側専門家数人の講演のあと、パネルディスカッションも活発に行われました。

日本は、2013 年に北極評議会の常任オブザーバーとなっていますので、尚更関心の深いところです。
地球温暖化問題をはじめ、北極圏は科学、ＮＳＲ（北海航路）、
天然資源の分野で大きな注目を集め、すでに、他国は発掘権利の契約を獲得したりと、進出、開発がなされています。
日本とデンマーク王国の視点から見た北極圏戦略とは、どのようなものでしょうか。考えていく価値大です。
我が国、デンマーク王国、グリーンランド自治政府がどのような分野で協力できるかについても、興味深い意見交換で盛り上がりました。

フレデリック皇太子殿下、引き込まれるような魅力的なお話でした。メアリー妃殿下も、私のすぐ前にいらしたのですが、近すぎてベストショットが叶わず残念。
たいへんな美女で、お人柄からにじみ出る温かなスマイルの持ち主、世界中でも行く先々で多くの人々を魅了。
数々の諸問題にも取り組んでいらっしゃいますが、特に、いじめ問題に関心をよせていらっしゃり、熱心な支援活動を展開。

今回の来日中にも、上記の北極圏セミナーとは別日に、「いじめについての対話」を学識経験者とお持ちになりました。
いじめが、いかに卑劣な行為かということを啓蒙し、対策を行うため、妃殿下が御自ら設立された「メアリー基金」があります。
まつわる貴重な活動内容のお話があったそうです。
大事な問題なので応援したかったのですが、残念ながら、こちらの日は諸事情により伺えませんでした。

山谷えり子 海洋政策担当大臣がステキにご挨拶。

鈴木俊一 自民党衆議院議員「北極フロンティアについて考える議員連盟」会長からも、力強いご挨拶。

キム・キールセン　グリーンランド自治政府首相は、基調講演を。エキサイティングなお話満載でした。情熱をもって語られました。

池島大策　早稲田大学教授からは、「日本の北極地域における利益」と題した講演でした。噛み砕いて解説してくださり、たくさんの学びがありました。

石原敬浩　海上自衛隊幹部学校・戦略研究室、２等海佐からは、組織としてではなく、あくまで個人の分析・見解の範囲での「北極への挑戦ー安全保障の観点から」というテーマの講演がありました。
楽しく勉強できました。懇親会では、石原先生に、私が江田島ファンで、何度も足を運んでいることや、五省が私の基本モットーというお話を雑談の中でいたしました。同席していらした、浅野　潔２等海佐には、戦前の祖父母の家も、当時の総理大臣、海軍大臣をつとめた米内光正　海軍大将邸の数軒となりだったという、どうでもいい、まさにトリビア情報まで明かしてしまいました。美味しいシャンパーニュのせいでしょうか。

ヨアン・スコウ・ニールセン　グリーンランド自治政府産業・労働・貿易副大臣からは、「グリーンランドにおけるビジネスの可能性ー産業、貿易の視点から」と題した講演がありました。
説得力たっぷり、すぐにでもグリーンランドに行きたくなったほどです。un jour!

榎本浩之　国立極地研究所・北極観測センター長からは、「北極における科学研究の可能性と高まる日本の関心」という講演でした。
新たな情報や、明るい展望が感じられるお話でした。

全員でパネルディスカッション。質疑応答の機会もありました。

司会もつとめ、この有意義な企画を実現させた、イェスパー・Ｓ・トムセン駐日デンマーク王国大使館次席公使。熱い想いが充分に伝わってきました。